アーティストがステージで使っているイヤホンに興味はありませんか?
あれはイン・イヤー・モニター(in ear monitor = IEM)通称イヤモニです。
特に、アーティストさんだと型をとって作った自分専用のイヤホン(カスタムIEM)が多いですよね。
そんなカスタムIEM、実は数万円〜で作れちゃいます。
本記事では、
「カスタムIEMってどういうモノ?」
「初めてカスタムIEMを作ろうかな?と思うけど、どうやって買うのかよく分からない」
という あなた に向けて、カスタムIEMのQ&Aと私がe☆イヤホン秋葉原店で実際に購入した体験記をご紹介します。
オーダーメイドイヤホン=カスタムIEM(イヤモニ)とは?
オーダーメイドイヤホン=カスタムIEM(イヤモニ)は、元々はアーティストさんがステージで音を拾うためのイヤホンであって、アーティストさんの聴覚保護や正確な音を確認するためのものです。
自分専用の型をとって制作するため、遮音性が良いことや、音の良さ、自分仕様のデザインなど、私たち一般人にとっても魅力的なイヤホンの一種ですね。
カスタムIEM(イヤモニ)のメリット・デメリットは?
カスタムIEMのメリットは、なんと言っても自分専用品ということでしょう。
型を取って作成してもらうため、基本的には自分の耳にぴったり合います。
当然、遮音性も良くなります。
また、自分好みにデザインを選べるのも良いですよね。
(本体の色、フェイスプレートの素材やデザイン、ロゴの有無など選べます)
まさに「自分専用品」です。きっと所有欲も満たされるでしょう。
カスタムIEMのデメリットは、これもまた(型をとった時の)自分専用品ということです。
まず、オーダーしてから手元に届くまで、結構時間がかかります(目安として3ヶ月くらい)
型取りしてから、大きく成長したり、体型が変わったりすると本人でもサイズが合わなくなってしまいます。再調整もできないことはないですが、時間がかかります。
また基本的に他の人の耳には合わないものなので、リセールバリューはほとんどありません。
カスタムIEM(イヤモニ)は一般人でも買えますか?
普通に買えます。
インターネットでも購入できますが、実店舗での購入がお勧めです。
カスタムIEMの購入手順=「試聴して、メーカーにあった方法で耳型を取って、デザインを決めて、オーダー」という手順を間違えなく行うには、対面の方が安心ですよね。
私はe☆イヤホン 秋葉原店で購入しました。
e☆イヤホンは東京・大阪・名古屋・仙台に店舗があるため、お近くのお店でじっくり選んでみてはいかがでしょうか。
e☆イヤホンのWebサイト(オーダーメイドイヤホンのページ)はこちらです。
カスタムIEM(イヤモニ)のお値段は?
カスタムIEMのお値段は、基本的に下記の要素で決まります。
最近、物価の高騰でちょっとずつ値段が上がっているようですが、2023年8月現在では本体4.8万円+耳型代5千円で、約5.3万円〜が最安値のようです。
カスタムIEM(イヤモニ)のセールはいつ?
e☆イヤホンさんの場合、カスタムIEMの大きなセールは夏場(7月ごろ)と12月に毎年行われているようです。(その他、GWなどにセールがあることもあります)
セール時は大体、本体価格のお値引きのほか、カスタマイズ代金割引やリケーブルの割引などが行われるようです。
もし待てるようであれば、セール時を狙うのもお得ですね。
カスタムIEM(イヤモニ)の寿命は?
カスタムIEMの寿命は使い方によって変わってきますが、概ね2〜3年というのが売る側の文句のようです。
ステージで汗かきながら踊って歌うアーティストさんなら当然イヤホンの寿命は短くなりますし、大事に使っている方の中には8年使っているなんて例もあるようなので、使い方次第ですね。
体型の変化に気をつけることと、丁寧に扱うことで、大事に使い続けていきたいですね。
カスタムIEM(イヤモニ)とハイエンドイヤホン、どっちが良い?
好みによる。というのが結論です。
ですが、ユニバーサルモデル(量産品のイヤホン)に比べると、カスタムIEMはどうしても割高です。個別にシェルを作る工賃がかかるためです。カスタムIEMは価格にシェル加工代が上乗せされていることは考慮して買い物をした方が良いでしょう。
以下は「同じ値段ならユニバーサル(市販)モデルの方が音が良い(可能性がある)」という論拠です。
「同じ値段ならユニバーサル(市販)モデルの方が音が良い(可能性がある)」という論拠
下のチャートは(粗利等無視した)適当なイメージですが、同じ5万円の商品を並べたとき、カスタムIEMのシェル加工代が3万円とすると、5万円のユニバーサル(市販)モデルは本体材料費に5万円使えますが、カスタムIEMだと2万円しか使えません。
同じ値段でも安いモデルだと材料費の差は歴然ですよね。
これと比較して、下段の15万円モデルであれば、シェル加工代の3万円を引いても、本体材料費は15万対12万となります。
つまり、金額が大きくなるほどシェル加工代のコスト影響が減ります。
フィット感や遮音性など、カスタムで得られるメリットを割安な素材で相殺してしまわないように、ある程度の金額は出したほうが良いとも言えるでしょう。
「カスタムIEMは10万円位からが良いかもよ」という意見には上記のようなニュアンスが含まれていると思っています。(個人的には8万円くらいからかなぁと思います)
カスタムIEM(イヤモニ)の後悔しない買い方は?
ズバリ、後悔しないためのポイントは2点です。
1.価格ではなく、価値で買うこと。
価格=「安いのを選んで買った」「コスパで選んだ」という買い方は、後で後悔しがちです。
もう少しお財布に余裕ができた時など、後で妥協したことを後悔するかもしれません。
その点、価値で買い物できていれば後々の不満は少なくて済むはずです。
誰しも予算に上限はあると思いますが、その中でも聞き惚れて買ったイヤホンなら後悔はしないと思いませんか?
2.自分が納得して買うこと。
今はたくさんの情報があります。
商品のレビュー記事や店員さんのお勧め、あるいは有名なYoutuberさんが絶賛していたなど、商品選びの際の参考にはなるでしょう。
ですが、あくまで最後は自分が納得して買うことがポイントです。
他人の意見だけで購買すると、最後まで自分を無理やり納得させ続けなければなりません。
自分に合う商品を「自分で」納得するまでしっかり試聴して決めることが大事だと思います。
そのためには、今後カスタムIEMと一緒に使うであろう機器(DACやDAPなど)や聞きたい音源のプレイリストなどきちんと準備して試聴に臨むことが大事だと思います。
カスタムIEMはどうやってオーダーするの?
基本的には店頭でのオーダーなら下記の順になるかと思います。
その前に、事前の準備として、試聴のためのプレイリストを作成しておくことと、耳型がきちんと取れるように体調を整えておく(耳がむくまないように、前日はお酒は控える、など)ことが大事ですね。
カスタムIEMのオーダーにはどれくらいの時間がかかる?
最短2時間、悩む人は数日、という感じだと思います。
私の場合は下記でした。
11:05 入店→視聴4種 + リケーブル1本 〜12:25
12:30〜13:00 耳型採取
13:05~13:30 デザイン決め
13:35 支払い完了
13:46 サブウェイで遅めの昼食
機種は案外すんなり決まりました。が、悩むのはデザインですね。
メーカーが決まらないと、どんなデザインオプションがあるのか分からないので、その場で選ぶのに苦慮しました。
オーダーメイドイヤホン=カスタムIEM(イヤモニ)のオーダー体験記
ここからは、実際に私がe☆イヤホン 秋葉原店で自分のカスタムIEMをオーダーした体験記を載せておきます。初めてイヤホンをオーダーする方の参考になれば幸いです。
カスタムIEM(イヤモニ)オーダーの事前準備
ある程度予習はしておきましょう。その上で分からないことがあれば、事前に電話などでお店に聞いてみると安心です。
概略がわかりやすいのはe☆イヤホンさんのYoutube動画ですね。
そのほか、私が事前に電話で確認しておいたのは下記です。
なお、電話対応してくださったSさん、とても丁寧で親身に相談に乗ってくれました。
電話対応が良いと安心して来店できますよね♪
カスタムIEM(イヤモニ)オーダー当日
当日の動きを時系列で紹介します。
売り場到着まで
e☆イヤホン秋葉原店は電気街口を出て、秋葉原の大通り沿いに数分歩いたところにあります。(数十年ぶりに秋葉原について驚いたことは、「大通りは完全に異国の臭い」ですね。)
オレンジの看板と入口のビクター犬が目印です。
カスタムIEMのコーナーは3Fです。
店舗入口左のエレベーターで3Fに移動しましょう。(注:2023年10月13日から3階になりました)
店員さんに相談〜試聴
エレベーターで4F(当時)に上がるとすぐ右にレジカウンター、正面左側にずらっとカスタムIEMのショーケースがあります。(写真撮り忘れました。すみません)
迷わずキョドらず、店員さんに話しかけちゃいましょう。
私は、入り口付近のPCで作業されていた もい さんに即ご相談しました。
お願いした内容は
「予算はシェルデザイン・リケーブル含めて15万くらいまで」「普段は女性ボーカル+アコースティックをよく聞く」の2点です。
もいさんからは、気になっているメーカーなどが無いか確認された上で、まずお勧めの機種を3点用意してくれました。
視聴は、持ち込んだMacBookAirにFiio BTR7を有線接続し、1つずつお借りして確認しました。
何機種も試聴すると、どれがどれか分からなくなりそうなので、下記のようなメモ項目を持っていって、機種ごとにメモして選定しました。
私の耳だと、3機種の中ではLSVIが一番良かったですが、低域が少なめに感じました。
もいさんにそのままお伝えすると、追加でLSIVとLSVI+リケーブル(EFFECT AUDIOのEros S)を持ってきてくださいました。
まずはLSIV。LSIVは確かに低音は十分なのですが、全体的な解像感がLSVIが上に感じました。
LSVI+Eros Sリケーブルは、「リケーブルでそこまで変わらないんじゃないの?」と半信半疑だった自分を叱り飛ばしたいくらい化けましたね。低音もよく出るし、バランス接続のせいもあってか音場も広く定位も更によくなったように感じました。
というわけで、LSVI+Eros Sの組み合わせに惚れて試聴は完了。1時間半かかりませんでした。
試聴って難しいんじゃないか?と思っていたのですが、それぞれ個性があってすぐ決まった感じですね。(どれが良い悪い、ではなく自分に合うかどうかなので、ちゃんと視聴した方が良いですよ)
ちなみに、もいさんはとても親身に相談に乗ってくれましたし、商品知識も豊富でした。接客もすごく丁寧でおすすめです。
耳型(インプレッション)採取
機種選びが早く終わったので、耳型採取の時間も前倒ししてもらいました。
耳型採取は6Fのリスニングラボで行います。
エレベーターで6Fに移動したら、奥の看板が目印です。
リスニングラボ入口右にはソファがあります。ゲストさんと取材?談笑?していることもあるようですが、ひるまず中に入りましょう。
左側に耳型採取用のブースが2つあるので、覗き込んで店員さんに声を掛ければOKです。
なお、耳型の取り方でイヤモニのフィット感を調整することができるそうです。
あらかじめ、どうやって取るかを考えておくと良いかと思います。
(私は割り箸横で取りました)
で、耳型採取。
型取りの手順は下記でした。
型取り剤(白と緑)を混ぜる>鼓膜に張り付かないように先に耳に綿球を入れる>型取り剤を耳に注入>5分ほど待つ。
両耳同時進行で取得しました。
若干ひやっとする物体が耳の中にムニュニュと入ってくる感触は、なかなか無い体験でしたね。
で、出来上がった私の耳型が↓の写真です。耳型取りは全部で30分ほどかかりました。
ちなみに。
リスニングラボさんのメンバーズカードがすごくカワイイので、私物のゲームウォッチを寄せてお知らせしておきます。
デザイン決め
耳型が出来上がったら再び4Fに戻ってカスタムIEMのデザインを選びます。
Lark Studioの場合、選択できるオプションは下記の通りです。
右がシェルの素材の色、左がシェルの素材に混ぜられるグリッター。
シェルの前面につけるフェイスプレート。
あと、ロゴの種類と有無を選べます。
全てのカスタマイズ要素を左右バラバラに選択できます。
しかもLark Studioは全てカスタマイズ無料です。
デザイン決めも店員さん (しみちゃん) が助けてくれましたが、いやー迷いました。
全て決まったらお会計をしてオーダー完了です。
私の場合、入店から支払い完了まで2時間半ほどでした。
カスタムIEM(イヤモニ)オーダー購入後
オーダー後はひたすら待つしか無いですね。
ワクワクが約3ヶ月です(メーカーによる)。
大きな買い物をした後なので、気が大きくなっています。
つい、DACやDAPを買い増ししたり、外出用のイヤホンをアプデしたくなりますので、散財に注意しましょう。
届いた後は、装着チェックですね。下の動画が参考になるかと思います。
「どうしても合わない」ということもあるそうで、その場合はリフィット対応になるそうです。
また少し待つことになりますが、購入元に相談して対応してもらいましょう。
また、カスタムIEMのメンテナンスについてはこちらをご参照です。
まとめ:オーダーメイドイヤホン=カスタムIEM(イヤモニ)のオーダー体験記
以上、オーダーメイドイヤホン=カスタムIEM(イヤモニ)とは何か、と実際にオーダーした体験記についてまとめてみました。
オーダーメイドイヤホン=カスタムIEMについて、少しでも「分かった!」と思っていただければありがたいです。
多少、お値段のする買い物ではありますが、きっとあなたの音楽ライフを充実してくれるはずです。
一度検討してみてはいかがでしょうか?