Klipperを導入して最初に思う不満は「めっちゃすごいけど、やっぱり操作パネルも欲しい」じゃないでしょうか。
本記事はそんな悩みを解消する「Klipper Screen」の導入方法を解説します。
インストール時にありがちな「Klipper Screenの画面は出たけど、タッチ操作に反応しない」場合の対処法も紹介しますので、ご覧ください。
※本記事はこちらのKlipperScreenの公式情報を元に、筆者が環境導入した内容を紹介しています。
Klipper Screenの導入方法:そもそも何ができるようになる?
Klipper Screenを導入すると、3Dプリンターのすぐ近くでさまざまな操作ができるようになります。
WebUIを開けなくても、その場でノズル温度を上げてフィラメントの交換ができたり、Z軸調整が簡単だったりと、結構便利ですよ!
例えば、下記が代表的な操作画面です。
各種温度の確認と設定
モーター移動、マクロやコンソールの実行など
Z軸調整、オートレベリングなど
再印刷の実行
いかがでしょう。
ちょっと試してみたくなったら、下記をご参照ください。
Klipper Screenの導入方法:ハード編
Klipper Screenの導入にはタッチスクリーンが必要です。
公式サイトにはいくつかの候補が紹介されていますが、ネットを探して利用例の多いBTT PI TFT50を使用します。
静電容量式のため、軽いタッチでも軽快に反応するし、写りも割と良いので満足できますよ。
AliExpress:Bigtreetech-タッチスクリーンfitft50 v2.0,5インチ静電容量式LCDディスプレイ
ちなみに、Amazonでも売っていますが、私が見た時はお値段は倍ぐらい違いました。
よく確認して購入しましょう。
Amazon:BIGTREETECH PITFT50 V1.0 5インチ タッチスクリーン
その他、タッチスクリーンとRaspberry Piを入れるケースはThingiversやPrintablesで検索すると結構出てきます。
当方はデザインと空冷ファンが付けられるので安心かと思い、下記を利用しました。
なお、上記で利用する空冷ファンは4010 5vのものが利用でき、QIコネクタのものがRaspberryPiから直接給電できて便利です。
筆者はAmazonで下記を購入して使っています。
Amazonリンク:GeeekPi 2個Raspberry Pi 4静音ファン4010ファンDC 5Vブラシレス
Klipper Screen導入に必要なハードはこれで全てです。
ハードの接続はタッチパネル付属のフレキシブルケーブルで繋ぐだけです。
起動画面が表示されなかったらおそらくケーブルの裏表が逆です。その場合は差し直してみてください。
Klipper Screenの導入方法:ソフト編
それではKlipper Screenのソフトを導入していきましょう。
なお、本記事のベースはこちらでインストールしたMainsail/Klipper環境となります。> Ender-3 S1 ProにKlipperを導入する手順
KIAUHをインストールする
KIAUHのインストールが未の場合は、先に入れておきましょう。
Raspberry PiにSSHでログインした後、下記を順に実行します。
git clone https://github.com/th33xitus/kiauh.git
cd kiauh
chmod +x kiauh.sh scripts/*
./kiauh.sh
KIAUHの画面が出れば成功です。
KIAUHからKlipper Screenをインストールする
KIAUHの画面で下記を順番に実行します。
1 > エンター [Install]
5 > エンター [KlipperScreen]
途中、sudoのパスワードを要求されたら、入力してください。
インストールは5分程度で完了すると思います。
moonraker.confを設定する
ブラウザでMainsailのWeb UIを開きます。
MACHINE→Moonraker.confを開きましょう。
設定する内容は[authorization]>trusted_clients:に 127.0.0.1 を追加です。
ここまで実行して、RaspberryPiを再起動したら、タッチパネルのスクリーンにKlipperScreenが表示されるはずです。
Klipper Screenがタッチ操作に反応しない場合の対処方法
RaspberryPiのOSがBullsEyeベースの場合、標準ではタッチに反応しないようです。
対処法はこちらに記載されていますが、GUIを使った設定は当方環境ではできませんでした。
従い、下記を実行します。
sudo nano /boot/config.txt
# Enable DRM VC4 V3D driver の dtoverlay=vc4-kms-v3d をコメントアウトし、dtoverlay=vc4-fkms-v3d を追加する
設定を保存した後、Raspberry Piを再起動すれば、タッチに反応するようになるはずです。
Klipper Screenをアップデート項目に追加する
最後にklipper ScreenのアップデートをMainsailのUIでできるように設定を追加しておきましょう。
Moonraker.confに下記を追加すればOKです。
[update_manager KlipperScreen]
type: git_repo
path: ~/KlipperScreen
origin: https://github.com/jordanruthe/KlipperScreen.git
env: ~/.KlipperScreen-env/bin/python
requirements: scripts/KlipperScreen-requirements.txt
install_script: scripts/KlipperScreen-install.sh
managed_services: KlipperScreen
設定は以上です。
お疲れ様でした。
まとめ:Klipper Screenの導入方法
以上、Klipper Screenの導入方法について、紹介しました。
それほど手順も多くなくインストールできますので、ぜひお試しください。
一度タッチスクリーンを手に入れると、便利で戻れないですよ〜!
それでは。